車のブーツって?種類とそれぞれの役割を徹底解説!


車検整備の際、ドライブシャフトブーツやダストブーツなど、ブーツ類が破れているから交換しないと車検に通らないと言われたことはありませんか?

 

 

『ブーツって必要なの?』『利益の為に交換させようとしているのでは?』と考えたことはありませんか?実は、破れていたり劣化してひび割れていると本当に車検に通りません。

 

 

そこで、車にはどのようなブーツ類が装備されているのか、また交換しないとどうなってしまうか、本当に交換しないといけないのかなど、車のブーツについて解説します!

車に装備されている主なブーツの種類


ドライブシャフトブーツ

ドライブシャフトブーツは、エンジンからタイヤに力を伝えるためのドライブシャフトという部品に装備されています。

 

 

駆動方式によって、装備されているドライブシャフトの数が違い、一般的なFF(前輪駆動)の車には、左右にドライブシャフトがあり、それぞれの内側(エンジン側)と外側(タイヤ側)計4カ所にブーツが装備されています。

ステアリングラックブーツ

ステアリングラックブーツは、ステアリング(ハンドル)からの力をタイヤに伝えるためのステアリングラックという部品に装備されています。

タイロッドエンドブーツ

タイロッドエンドブーツは、ステアリングラックからタイヤ側へ伸びていて、タイヤに力を伝えるタイロッドという部品の先端に装備されています。

スタビリンクダストブーツ

スタビライザーという部品は、車のコーナリング時、車の傾きやロールを抑え、乗り心地を悪化させないための部品です。

 

 

それをサスペンションとジョイントする為に、スタビリンクという部品で部品同士を連結しています。

 

 

スタビリンクダストブーツは、スタビリンクのスタビライザー側とサスペンション側にそれぞれ装備されています。

ロアアームボールジョイントブーツ

ロアアームボールジョイントは、タイヤが上下左右に動く際、人間でいうと間接部分にあたる部品であり、可動部のボールジョイントにブーツが装備されています。

ブーツは車をスムーズに走らせる為の保護部品!


車のブーツは、タイヤに力を伝えるための各部品に装備されています。

 

 

ブーツの内側は、ベアリングやボールジョイントという関節のような働きをする部品があります。

 

 

稼動部にはグリス(潤滑油)が入れられ、力が伝えられるとスムーズに動くように設計されており、ブーツがあることによって、水や砂などのゴミが可動部に入り込み、動きを阻害しないようにする役割を果たしています。

 

 

ブーツが装備されている可動部にあたる部品の中に、水や砂が入ってしまうと、ベアリングやボールジョイントが錆びてしまい動作不良を起こします。

 

 

異物によって、傷や隙間ができると正常な役割を果たせなかったり、『ゴトゴト』異音が発生してしまいます。

 

 

各部品がきちんと動作しないと、車の性能と乗り心地が悪化します。

ブーツが破れていると車検が通らない!


車検には、下回り・足回りの検査があり、ブーツ類の状態もチェックされます。

 

 

ブーツの中にはグリスが入っています。ブーツが破れていると、内部のグリスが飛び散ってしまい、思わぬ事故が発生する危険性があります。車検には通らない状態です。

 

 

検査場によって異なりますが、①ブーツのひび割れ程度で完全に破れていない状態②中のグリスが飛び散っていない場合は、車検に通る場合もあります。【グレーゾーンになります】

 

 

しかし、車検を受けるということは、その後も車検を受けた車を乗り続ける前提ですよね?

 

 

安全を考えると、ひび割れや劣化がある場合は交換しておきましょう!

ブーツにひび割れがあると要交換!


ブーツは、ほとんどがゴムで製造されている為、経年劣化します。

 

 

中でも、ドライブシャフトブーツは特に地面の影響を受けます。振動やハンドルを切る際、前後左右に内部が挙動し、他のブーツより負担が大きいからです。

 

 

ゴムで製造されている為、古くなれば硬くなってしまい、ひび割れを起こしたり割れてしまいますので、よく点検しておきましょう。

 

 

ブーツが破れると、中のグリスが飛び散り、中に水や砂、ゴミなどの異物が入って錆びてしまったり、ゴトゴトと異音が発生したり、ボールジョイントやベアリングに傷が発生し、正常な役割が果たすことができません。

 

 

結果的にブーツ交換だけでよかった修理が、ドライブシャフトアッセンブリー交換(パーツ全交換)しなければならない高額修理が発生する場合があります。ブーツは、大きな破損を未然に防ぐ役割もはたしているといえるでしょう。

 

 

ブーツの交換時期は、おおよそ【5年/10万km程度】となっています。しかし、車の使用環境や仕様用途によって劣化スピードが変動しますので、定期的にチェックしましょう。

 

 

ゴムで製造されているブーツが一般的ですが、耐久性を高めたウレタンで製造されているブーツもあり、耐久性が良いので交換の際は候補に入れるとよいでしょう。

ブーツ類は、そのほとんどがブレーキやタイヤの近くに装着されています。

 

 

ブーツは可動部の保護の為、潤滑油であるグリスが入っています。

 

 

ブーツが劣化で破れてしまい、中のグリスが飛び散り、ブレーキやタイヤに付着すると『ブレーキを踏んでいるのに、滑ってブレーキが利かない!』『タイヤに付着し、グリップ力を失ってしまう!』など自分の命だけでなく、歩行者など周囲の人の命も危険にさらしてしまいます。

 

 

車検に通らないばかりか、大きな事故の引き金にもなりかねないブーツ。安全と快適な走行の為に重要な部品だとご理解いただけましたか?

 

 

ブーツの劣化でひび割れやグリス漏れがある場合は、早めに交換して安全なドライブを楽しみましょう!